冨岡利枝ブリーダーのブログ｜【動物愛護週間】今年は「動物福祉」について考えます(25.9.21)

「ひろく国民の間に命あるものである動物の愛護と適正な飼養についての関心と理解を深めるようにするため、動物愛護週間を設ける」（動物愛護管理法第4条）

この目的に基づき、当舎からは例年週間中「動物愛護」「動物管理」に関係する話題を提供しております。

昨年は「所有者等の責務」について綴りましたが、今年はより前向きに「動物福祉」について綴りたいと思います。

※「動物福祉」とは、
動物の利用自体は認めた上で、動物の待遇を改善しようとする考えのこと

『動物の愛護及び管理に関する法律』が近く改正されると言われていますが、これまでの不適正飼養事案から「罰則強化」という考えに向いていると感じる点が多々あります。

たとえば虐待罪などの罰則量刑をより重くすることは、重大な虐待事案が起きた際の「見せしめ」になってしまい、本来目的の福祉の向上に繋がらなくなる恐れがある気がします。

では動物に対するどんな待遇が良くないのかの理解を深めることの方が建設的だと思います。

例として
「猫を室内に閉じ込めることは虐待！」
と言う考えの人もいれば、

「野外に放って健康と安全を保持しないのは虐待！」という考えもあります。

現行法下では、後者の「完全室内飼養」が適正です。これは、猫が本来蓄養種であり室内で十分快適な生活環境を整えることが出来ること、野外で行動制限しないと糞尿問題や無秩序な繁殖によって危害や迷惑が拡大すること、野外では野生動物を侵略してしまう外来種であることなどが理由です。

次回テーマは、
猫を野外に放つことは「虐待」なのか？
について綴りたいと思います。

※動画は投稿内容に直接関係ありません