「多頭飼育崩壊」は、主に普通の犬・猫飼いが、金銭的または「かわいそうだから」などの理由で、避妊去勢手術を怠っていたために、過剰繁殖してしまった結果です。
でも、ブリーダー崩壊は、「商売」としてブリードをしていた人が支出と売上のバランスが取れなくなって、飼育を放棄してしまうことから始まると思います。
私も含め、その品種のスタンダードに少しでも近ずくよう勉強してショーに参加し、健康管理・衛生管理に気を使って飼育しているショーブリーダーは、「商売」でブリーダーをしている方はいません。
今の時期ですと各部屋24時間空調し、キロ当たりン千円のフードやお肉、自分の使っているシャンプーの数倍以上のお値段のシャンプーやグルーミング用品などなど、、、
ショーに出て入賞しても、貰えるのは称号やタイトルだけで、賞品も賞金も出ません。
商売だと考えたら、とてもとても採算が合いません(笑)
健康などお構いなしにできるだけ経費を削り、たくさん産ませられるだけ産ませて、採算が合うように、、、それが、キティー(パピー)ミル=子猫工場です。
なぜ、そんなに繁殖させるのか?
それは、「買う人」がいるからです。
こんな可愛い子猫をペットショップで見たら、「ちょっと抱っこしてみませんか?」とか言われたら、ついお家に連れて帰りたくなるのも分かります。
この子たちは、以前当キャッテリーで生まれた子猫で、生後45日くらいでプロカメラマンに撮っていただいた写真です。
今は動物愛護法が改正されて、生後8週齢までは販売してはいけないことになっています。
でも、私個人としては、それでも早すぎると思うのです。
現在、当キャッテリーでは生後8週齢でやっと1回目のワクチンを打って、さらに4週間後の12週齢で2回目のワクチンを打ち、問題がないことを確認してからオーナーさんにお渡ししています。
ただ一番の問題は週齢ではなく、「ペットショップで生体(子犬・子猫)を販売する」ことです。
先進国と言われる国の中で、『ペットショップで子犬や子猫を売っているのは日本だけ』です。
このブログをご覧いただいている方々は、皆さん「ブリーダーからお迎えしよう」と思ってくださっていると思いますが、ペットショップで子犬・子猫を販売している限り、悲惨なパピーミル・キティーミルは無くなりません。
子供を産めなくなって「廃棄」される子、ブリーダー崩壊で命を落とす子、「商品」として輸送される途中で命を落とす子は、無くなりません。
「ブリーダー崩壊」を決してただのニュースだと思わず、どうかペットショップに陳列されている可愛い子犬・子猫の来た道・行く末を考えてみてください。
