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前回は、セルカークレックスの遺伝と外見を綴りましたが、
今回は、どの様な遺伝的外見を示すのか、2013年カリフォルニア大学デービス校の研究チームでの研究から見ていきます。
巻毛のセルカークレックス9頭と直毛の比較対象群29頭(直毛のセルカークレックス6頭+ペルシャ5頭+スコティッシュフォールド18頭)を対象とし、巻毛を形成している遺伝子がどこにあるのかを精査しました。
その結果、ネコB4染色体の特定領域に於いて、巻毛のセルカークレックスだけが保有する変異が見られました。
さらにこの特定領域を絞り込んで行き「KRT71」と呼ばれる毛包内タンパク質を形成する遺伝子に相当する部分と判明し、こうした結果から調査チームは、KRT71遺伝子における変異がセルカークレックスに特徴的な巻毛を形成している可能性が高いとの結論。おそらく、遺伝子が生成するKRT71タンパクの中にある特定部位(α-helical rod)が欠落することにより毛が真っすぐ伸びずクネクネと折れ曲がるのではないかと結論付けました。
因みに「KRT71」遺伝子の変異はスフィンクスやデボンレックスでも確認されています。
しかし、変異が存在している領域が若干異なり、スフィンクスでは「KRT71-hr」、デボンレックスでは「KRT71-re」、そしてセルカークレックスでは「KRT71-SADRE」と表記されます。

又、2012年、オーストリアのウィーン獣医大学のチームは、セルカークレックスの遺伝形式を明らかにするため変異遺伝子を両親から1本ずつ受け継いだ「ホモ型」11頭、両親のどちらかから1本だけ受け継いだ「ヘテロ型」90頭、そして1本も持っていない「ワイルド型」52頭を対象とした交配調査を行ったところ、
ヘテロ型とワイルド型の交配からは巻毛が38頭、直毛が30頭とほぼ同数が生まれ、両親がヘテロ型の交配からは巻毛が30頭、直毛が11頭生まれ、その割合は巻毛が約75%。
一方で、両親がワイルド型の交配からは巻毛の子猫は1頭も生まれなかった。
さらに両親のどちらか一方がホモ型であるとき、子猫の被毛がカールしている割合は100%だったそうです。
こうした結果から調査チームは、セルカークレックスの巻毛の遺伝形式は、常染色体優性遺伝であると結論付け、
又、変異遺伝子を保有し、極希に巻毛を示さない個体がいることから、正確には「不完全常染色体優性遺伝」と結論に至りました。
同じ巻毛で有名なデボンレックスは、親から変異遺伝子を1本ずつ受け継がない限り、巻毛は発現しません。
「常染色体劣性遺伝」という遺伝形式に成ります。
池田研司ブリーダーの子猫一覧
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