子猫を家に連れてくるまで

子猫 キャリー
いよいよ、子猫を迎える日。飼い主にとってはワクワクすることですが、子猫にとっては環境の変化で緊張やストレスを感じることが多い日といえます。だからこそ、子猫がこれまでどのように過ごしていたか知ることはとても大切です。

引き取り先で確認すること

与えていたフードの種類、量、回数、時間

環境の変化に加え、食事の変化が重なるのはよくありません。緊張やストレスによる疲れから、体調を崩してしまうことも考えられます。そのため、できるだけ引き取り前後で生じる変化を少なくするよう心がけたいものです。

引き取り先で与えていたフードを引き継ぎ、量、回数、時間を確認しておきます。お迎え当日から少なくとも1週間は、食事の内容や与え方を変えないのがベスト。

また、お迎えする猫の食事で気をつける点など教えてもらってもよいでしょう。

ワクチン、寄生虫検査の有無

猫のワクチンは生後2カ月齢に1回目、その1カ月後に2回目を接種するのが一般的です。

お迎えする猫の月齢にもよりますが、ワクチン接種の回数を確認し、ワクチン証明書も忘れずに受け取っておきましょう。ワクチン証明書は、初めて動物病院に連れて行くときやペットホテルを利用する際に提示を求められることがあります。

寄生虫検査の有無も確認しておきましょう。とくに、お迎えする子が元野良猫で未検査の場合は必ず動物病院で検査してもらいましょう。

トイレの形状、猫砂の種類

フルオープン、ハーフカバー、フルカバーなど、トイレの形状と猫砂も、できるだけ引き取り先と同じものを使用したいところ。

比較的トイレを覚えるのが早い猫ですが、同じような環境に整える方が、よりトイレを認識してくれるのが早くなります。逆に、トイレの環境を変更すると、粗相につながりやすくなります。

使っていた毛布、猫砂をもらえるか

自分のにおいや親猫のにおいがするものがあると安心できるので、環境の変化に対するストレスを軽減できます。また、自分のおしっこが付いた猫砂があると、トイレを早く覚えることができます。

お気に入りのおもちゃやアイテムを聞いておくのも、環境づくりのヒントになるのでおすすめです。

子猫の連れ帰り方

自家用車、公共交通機関問わず、必ず専用のキャリーに入れて連れ帰りましょう。キャリーの中には、念のためペットシーツを敷いておくと安心です。

飼育に必要なアイテムは前日までに整えておき、買い忘れなどで当日寄り道することのないように気を付けましょう。移動時間が少ない方が、子猫が感じるストレスも少なくなります。

お迎え初日の過ごし方

子猫 ケージ
お迎え当日、一番大事なのは新しい環境に慣れさせることです。触ったり遊んであげたり、つい子猫に構いたくなるかもしれませんが、グッと我慢。落ち着いて過ごせるよう、できるだけそっとしておいてあげましょう。

準備していたケージに入れる

自宅に到着したら、まずはキャリーからケージに移します。ケージには水、トイレ(もらってきた猫砂があれば混ぜる)を入れておきます。もらってきた毛布やおもちゃなどがあれば、それらもケージに入れてあげましょう。

狭いところに入り込んで出てこなくなったり、粗相の原因となったりするため、いきなり部屋を自由に動き回らせるのはおすすめできません。

ケージを置く場所

ケージの設置場所は

  • エアコンの風が直接当たらない
  • 直射日光が当たらない
  • テレビの前や部屋の出入り口近くなど、騒がしくない
  • 飼い主の死角にならない
  • 風通しがいい

など、猫が落ち着いて過ごせるところを選びましょう。

猫は外の景色を眺めることを好みますが、気温や音の影響を受けやすく脱走の心配があるため、窓際にケージを設置するのは適切とはいえません。

様子を見る

きちんとトイレを認識しているか、水やごはんの場所を分かっているかなど確認するため、少しの間は様子を見守ってあげます。猫のストレスになるので、観察しすぎには気を付けましょう。

遊んでみる

子猫が遊びたい様子を見せたら、遊んでみても良いでしょう。子猫が感じている緊張がほぐれ、飼い主と猫とのコミュニケーションにも効果的です。

ただし、遊びすぎると子猫が疲れて体調を崩すことも……。子猫は体力の限界を超えても遊び続けることがあるので、遊ぶ時間は短時間にしましょう。

ごはんをあげる

引き取り先から聞いておいた時間になったら、はじめてのごはんをあげてみましょう。

子猫の初日の様子は何かと気になるものですが、食べている姿をジーッと見たりなでたりといった行動は控えましょう。

猫は環境の変化に弱いため、今まで食べていたフードであっても食べなかったり食べ残したりすることも珍しくありません。子猫が元気であればあまり心配する必要はありませんが、ウエットフードをドライフードに混ぜて与えてみるのも一つの方法です。

お迎えの翌日~1週間の過ごし方

子猫 抱っこ
新しい環境に適応している最中の子猫。警戒心がほどけてきたようなら、ケージから出してみてください。

子猫の性格によっては、お迎えの翌日から2日くらいで新しい環境に危険がないと理解できますが、警戒心が強い子猫はもう少し時間がかかるかもしれません。ケージから無理やり出すことは控え、子猫が自ら出てくるのを待ちましょう。

部屋を探索させてみる

ごはんをしっかり食べ、トイレの失敗もなさそうであれば、部屋を探検させてみましょう。床のにおいを嗅いだり、部屋の様子を観察したりすることで自分のテリトリーを確認します。子猫が探検している間は、できるだけそっと見守ってあげましょう。

子猫がいたずらをして誤食やけがなどをする可能性がある
  • ビニール袋
  • 電気コードやケーブル類
  • 人間の食べ物
  • ピアスやネックレスなどのアクセサリー類
  • 床に置いている鉢植えなど、倒れやすいもの


などは、あらかじめ片付けておきます。触られたくないものは棚などに収納し、入ってほしくない部屋の扉はしっかり閉めておくと安心です。

ゆっくり信頼関係を築きましょう

猫はもともと警戒心の強い動物であり、初めての人や場所が苦手な傾向にあります。そのため、信頼関係を築くにはある程度の時間を要します。焦って距離を詰めず、猫のペースに合わせて少しずつ仲良くなりましょう。

飼い主の愛情もとても大切です。怒鳴ったり大きい音を出して驚かせたりすると、信頼関係を築くまでに時間がかかってしまうことがあります。

優しく声をかけ、子猫が安心して過ごせる環境を与えてあげてくださいね。

少しずつトレーニングを開始

爪とぎは、猫の本能的な行動です。最初は壁や家具などを引っかくことがあるかもしれません。心配な場合はあらかじめ爪とぎ防止シートなどを使って、壁や家具を保護しておきましょう。

生後3カ月を過ぎたころから、乳歯から永久歯へ生え変わります。この時期は歯がむず痒くなるので、甘噛みをすることもあるでしょう。

爪とぎも甘噛みもしつけの必要なことですが、トレーニングは少しずつ、根気よくおこなってください。

お迎え初日~1週間のうちに気を付けたいこと

子猫 タオル 隠れる
お迎えしたばかりは、心身ともにストレスや疲れを抱えやすい時期です。子猫が快適に過ごせるよう、以下のようなポイントに注意しましょう。

室温管理

大人の猫よりも体温調節がうまくできない子猫は、免疫力も弱く、室温管理をしっかりおこなわないと体調を崩す原因となります。

子猫に最適な温度は、25度前後。エアコンやペット用ヒーターなどを活用しながら快適に過ごせる配慮が必要です。できるだけ温度変化が少ないように調節してください。

また、エアコンを使用する際は風が直接当たらないようにし、ヒーターはやけどなどの事故に注意しましょう。

取り囲まない、猫のぺースに合わせて遊ぶ

猫を迎えたうれしさとその愛らしさから、つい構いたくなることは多いかもしれません。しかし、まず最優先すべきは環境と家族になじんでもらうことです。

最初のうちは家族全員で取り囲んだり、子猫を友人・知人に披露したりするのは控えてください。

環境や家族に慣れないうちに刺激を与えすぎると、信頼関係を築くまでに時間がかかったり、体調を崩したりすることがあります。

また、寝ているところを起こして遊ぶのもNG。子猫に必要な睡眠は18時間ともいわれているので、十分な休息のためにも寝ているときはそっとしておいてあげましょう。

夜鳴きは応じない

お迎えしたばかりの時期は環境の変化に対する不安や、母猫と離れた寂しさなどから夜鳴きをする子猫もいます。また、飼い主の姿が見えなくなることで鳴いてしまう場合もあるでしょう。

ミャーミャーと鳴く子猫の声を聞くと、つい様子を見に行ったり構ってあげたりしたくなるものですが、ここは我慢! 鳴いたら遊んでもらえると思い、夜鳴きが続くことにもなりかねません。

また、猫はもともと薄明薄暮性(はくめいはくぼせい)であるため、夜鳴きに応じると昼夜逆転の生活になってしまう可能性があります。これから長く一緒に生活していくのですから、飼い主の生活リズムに合わせてもらうことも大切です。

体調を崩したら病院へ

迎えてすぐの体調不良はよくあることですが、だからといって油断してはいけません。子猫は少しの体調不良でも危険なことがあるので、何かあればすぐに病院に相談しましょう。

飼いはじめに起こりがちな体調不良としては、下記のようなものがあげられます。
  • 食欲不振
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 目ヤニ
  • せき
  • 鼻水、くしゃみ
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ワクチン接種は忘れずに

猫の感染症予防や健康維持のためにも、ワクチン接種は忘れないように気を付けましょう。引き取り先から聞いた接種回数に応じて、動物病院と相談しながらスケジュールを立てておくと安心です。

まとめ

猫 人 握手
子猫ができるだけ早く新しい環境に慣れ、飼い主との信頼関係を築くためにはお迎え当日から1週間の過ごし方がとても大切です。記事の内容を参考にして、子猫のお迎え準備を進めてくださいね。