ケージの必要性

ケージに入っている子猫
猫は自由なイメージが強く、「ケージは必要ない」と思っている方も多いと思いますが、ケージが活躍する場面はたくさんあります。
特にやんちゃな子猫期はケージがあると便利と感じることが多いでしょう。
では、どのような場面でケージが活躍するのかご紹介します。

安全確保のため

猫は好奇心いっぱいの動物です。電気のコード、人間の食べ物、棚の上の物など猫にとっては気になるものだらけ。少し目を離したすきにどんな危険なことをするか分かりません。ケガをしたり病気になったりするだけでなく、場合によっては命に関わることも。

しかし、人間の住む部屋を猫にとって100%安全なスペースにすることはほぼ不可能です。そのため、家を空けるときなど飼い主が見守っていられないときは、ケージに入っていたほうが猫にとっては安全なのです。「留守番中の猫は大丈夫かな」という心配をする必要もなく、安心して出かけることができます。

安心できる場所をあたえるため

猫は縄張り意識が強い動物。自分のテリトリーだと分かっている場所以外では眠っているときや食事中でも警戒心を働かせています。
ケージが自分の縄張り(テリトリー)なのだということが分かってくると、ケージにいる間は安心して過ごせるようになります。

また、猫ははじめて訪れた部屋など緊張しやすい場所では、テレビの裏やドアの隙間、ソファの下など狭い場所を見つけて隠れようとします。
一度隠れてしまうと、安全と認識するまで1週間近く出てこないことも。それを防ぐためにケージを使って、猫が安心できる場所を確保することが重要です。
隠れている猫

体調不良などで休息が必要なとき

去勢・避妊手術のあとや、猫がケガや病気になってしまったときなど、激しい運動を避けるようにと獣医師に言われることがあります。

もともと、そんなに活発ではない猫の場合は落ち着いて過ごすことが可能かもしれませんが、猫の性格によってはじっとしていられないことも多いです。そんなとき、ケージの中で過ごすという習慣があると、猫もストレスをあまり感じずに回復期を過ごせるようになります。

新しい猫を迎えるとき

新たな猫を迎えて多頭飼いをはじめるとき、いきなり一緒に過ごさせるのではなく、ケージ越しに対面させるのがベター。

徐々に顔合わせの時間を増やし、お互いの存在に慣れさせていきましょう。

ケージの選び方

パソコンの前に座る猫
ひとことでケージといっても1段だけのものから2~3段に分かれているもの、ハンモックや爪とぎなどのオプションがついているものなど種類はさまざまです。どのようにケージ選びをすればよいのでしょうか。

上下運動ができる

猫にとって重要なのは、ケージの広さではなく上下運動ができるかどうかです。1段のケージも販売されていますが、普段から使うことを考えると、2~3段ほどあるケージが良いでしょう。

トイレのサイズに合ったもの

トイレの大きさに対してケージの広さが足りないと、一番下の段全体がトイレになってしまい、歩くスペースがない……なんてことになりかねません。
また、扉の大きさも重要です。
トイレの出し入れがしやすい、大きな扉のケージだと掃除がしやすく、ストレスなくお世話ができますよ。

使いやすさ

トイレの砂やホコリが溜まるなどケージの下は意外と汚れます。キャスターつきのタイプなら、気軽に移動させることができるので、ケージ下の掃除がしやすいです。


ケージの材質にもそれぞれ特徴があります。自身のライフスタイルや重視する事柄によって一番合うものを選びましょう。

<スチール製>
最も一般的な材質。丈夫で耐久性に優れているのが特徴です。耐荷重も重いことが多く、大型の猫にも安心です。
一方で、インテリア性が低く、長く使っていると錆びできてしまうデメリットがあります。

<プラスチック製>
軽さが最大の特徴です。女性の方でも簡単に組み立てが可能で、錆びる心配がないので、丸洗いできるもの嬉しいポイントでしょう。スチール製に比べると、カラーバリエーションも豊富でインテリア性が高いデザインも多いです。
しかし、同じサイズのスチール製のケージと比べると、価格は高め。

<木製>
インテリアに馴染むデザイン魅力的な木製のケージ。部屋の雰囲気を壊したくないという方は木製がおすすめです。
ほかの材質に比べ、値段が高く、重いことが多いです。


また、ケージを選ぶ際は部屋の広さや猫の大きさを考えたジャストサイズを選ぶことも大切です。これから長い間、部屋に置くものなので猫にとっても飼い主にとっても使いやすいものを選びましょう。

猫が好みそうな付属品がついている

猫の快適さを重視するなら、キャットタワーのようにハンモックや爪とぎが付随しているケージもおすすめです。トイレやフードボウルなどがついていれば、デザイン的にも統一感がでるでしょう。

ケージを利用する際の注意点

ケージの中の子猫
さまざまな点でメリットの多いケージですが、使用するにあたりいくつか注意したいポイントがあります。

長時間の使用はストレスに

猫にとって安心できる場所になるケージですが、長時間閉じ込められていると猫もストレスを感じてしまいます。ケージの中で暴れだしたり、鳴き続けたりする場合は、すでにストレスを感じているサインかもしれません。飼い主さんが家にいる間は入れっぱなしにせず、気分転換をさせてあげましょう。

罰として閉じ込めるのはNG

悪いことをした罰として猫をケージに入れるのはやめましょう。猫にとってケージがネガティブな場所になってしまい、いざというときに入ってくれなくなったり、安心できる場所ではなくなってしまったりする場合があります。

ケージには少しずつ慣れさせて

猫のためだからといって強引に使わせるものではありません。最初は短時間ケージの中に入れてみて様子を見ながら徐々に時間を延ばしていきましょう。焦ってしまい“ケージ=嫌なところ”というイメージを猫に抱かせないようにすることが大切です。

まとめ

猫と人の手
猫はのんびり気ままに見えても、実は周囲の変化に敏感な動物です。ケージで落ち着いて過ごしてもらうためにも、置き場所はよく考えて決めましょう。人の出入りが多い場所や常に音が鳴っているテレビの近くなどは避け、静かで落ち着ける場所を選びます。ケージは使い方次第で、猫と飼い主の共同生活を快適なものにしてくれます。お互いにとって快適で安心な環境づくりをするうえで、強い味方になってくれるはずですよ。