猫が撫でられて喜ぶ場所は? 撫で方のポイントを部位別に紹介

膝の上に座る猫
猫が撫でられて喜ぶ場所は、自分で毛づくろい(グルーミング)ができないところが多いのが特徴です。
ただし、猫よっても撫でられて喜ぶ場所は異なります。また、撫でるときは毛並みに沿って撫でるのがポイントです。
ここでは、撫でると猫に喜ばれやすい場所や撫で方のコツを紹介します。愛猫の反応を見ながら撫でてみましょう。

猫が撫でられてうれしい場所・うれしくない場所

頭、おでこ・・・気持ちいい
あごの下、首まわり・・・気持ちいい
ボディ(腰から上)・・・まあまあ
前足・・・よくも悪くもない
お腹・・・すごく嫌
ボディ(腰から下)・・・なんか違う
おしり・・・気持ちいい
後ろ足・・・嫌
しっぽ・・・嫌
猫撫でる場所のイラスト

あごの下

あごの下は、自分でグルーミングができない部分です。
そのうえ、あごの下には臭腺があり、汚れや皮脂が溜まりやすくむず痒くなりやすいため、あごの下をかくように撫でると喜んでくれます。

また、猫にはこの臭腺をこすりつけることで、マーキングをする習性があります。
飼い主が自分のあごの下を撫でるということは、猫にとっては自分の臭いを飼い主につけることにもなり、気持ちよさとともに安心感も得られるのです。
あごの下を撫でられる猫

あごの下の撫で方のポイント

あごの下は、手を“熊の手”のようにして、痒いところをかいてあげるイメージで撫でるのがポイント。また、口の下から喉のほうへと、毛並みに沿って優しく撫でるとよいでしょう。

あごの下を撫でるときの注意点

あごの下の臭腺は、汚れや皮脂が溜まると「ざ瘡」「アクネ」と呼ばれるニキビのようなものができることがあります。撫でたときにブツブツを感じたり、黒い砂粒のようなものが見えたりした場合は、ざ瘡の疑いがあります。

ざ瘡を強くこすってしまうと、汚れが広がったり毛穴の奥へと汚れが入り込んでしまったりして悪化し、炎症を起こすこともあるため注意が必要です。
ざ瘡の疑いがある場合は、お湯で濡らしたタオルなどでやさしく汚れをふき取ってあげましょう。

首まわり

首まわりも、猫が自分でグルーミングするのが難しい場所です。自分の舌が届かないところなので、撫でられると喜ぶ猫が多いようです。

また、猫も人間と同じように、首から肩回りがこりやすいといわれています。撫でたり、マッサージしたりすると、気持ちよさそうにする姿が見られるかもしれません。
頸回りを撫でられる猫

首回りの撫で方のポイント

首回りは軽くカリカリとかくように撫でてあげるのがポイントです。さらに、猫の肩甲骨の間に指を入れてくるくると円を描いてマッサージするのもおすすめです。

首回りを撫でるときの注意点

マッサージする際は、力の入れ具合に注意しましょう。力を入れすぎず、優しく揉むように意識します。

また、猫にも好みがあるため、首回りを触られるのを嫌がる猫もいます。嫌がる様子が見られたら、無理に撫でるようなことはやめましょう。

おしり(しっぽの付け根)

多くの猫が撫でられて喜ぶといわれているのが、おしりです。おしり(しっぽの付け根)にはフェロモンを出す分泌腺やツボ、神経が集中しているため、撫でるとマッサージ効果が期待できます。
とくにメス猫が喜ぶ傾向にあるようです。
おしりを撫でられる猫

おしり(しっぽの付け根)の撫で方のポイント

おしりはただ撫でるだけでなく、ポンポンと軽く叩いてあげると喜びます。一定のリズムで叩くように意識しましょう。

おしり(しっぽの付け根)を撫でるときの注意点

おしりを触られるのを嫌がる猫もいます。はじめて触る場合は、猫の反応を見ながら慎重におこないましょう。

また、喜んでいるからといって、叩き続けるのは避けてください。しっぽが下がる、さらには腰を下げたらやめての合図。このサインを見逃さないように注意しましょう。音が出るくらいバンバンと叩くのも禁物です。

なお、しっぽの付け根には分泌腺があり、あごと同様に汚れが溜まるとベタベタになったり、炎症を起こしたりすることがあります。これは「スタッドテイル」と呼ばれる症状で、痛みや痒みを伴います。
おしりを触ったときに汚れがひどいと感じたら、かかりつけの動物病院に相談してみましょう。

おでこ(目と耳の間)

猫が前足を舐め、その手で顔を洗っている姿はかわいいものですが、顔もほかの場所と同様に、グルーミングをするのが難しい場所です。猫がくつろいでいるときに、やさしく撫でてあげましょう。
目と耳の間を撫でられる猫

おでこ(目と耳の間)の撫で方のポイント

鼻筋からおでこへと毛並みに沿ってゆっくり撫でてあげるのがポイント。手で撫でるだけではなく、ブラシを活用するのもおすすめです。

耳の付け根を指で優しくマッサージするように揉んであげるのもいいでしょう。

おでこ(目と耳の間)を撫でるときの注意点

顔の正面からいきなり手を近づけると、猫は驚いてしまいます。いきなり顔を撫でるのではなく、あごや首回りを触ってから、その流れで顔を撫でるようにしましょう。

ブラシで撫でるのもおすすめですが、ブラシに警戒してしまう場合もあります。少しずつ慣らしていくようにしてください。

ここはNG! 猫が苦手なポイント

人の手を噛む猫
猫が撫でられて喜ぶ場所をご紹介してきましたが、触られるのを嫌がる場所もあります。ここでは、猫が触られるのを苦手とする場所を3つご紹介します。
触られたくない場所を撫でてしまうと、噛まれたり蹴られたりすることもあるので気を付けましょう。

嫌がる理由も解説しますので、猫とより仲良くなるために確認してみてください。

猫が触られるのを嫌がるポイント1.おなか

猫にとっておなかは急所なので、触られることを嫌がる場合が多いようです。おなかは骨がなく、内臓が詰まっている大切な場所。身を守ろうとする本能から、触れさせまいとする猫が多いのです。

猫のおなかはモフモフとしており、つい触ってみたくなりますが我慢しましょう。

猫が触られるのを嫌がるポイント2.足先、肉球

猫にとって足は身を守るために重要な場所です。敏感な部分でもあるため、触られることを嫌がる猫が少なくありません。

触るのは、爪を切るときくらいにしておきましょう。

猫が触られるのを嫌がるポイント3.しっぽ

猫のしっぽには、尾骨神経という太い神経が通っています。この神経のおかげでしっぽの先までしなやかに動かせるのですが、骨盤神経や下腹神経といった大切な神経に繋がっていることもあり、とても敏感です。
そのため、触られると嫌がるケースが多いです。

さらに、しっぽはバランスを取るために重要な部分。急所の一つともいわれるため、触られると不安を感じてしまうようです。

猫撫でマスターになるために、猫の気分をチェック!

人にまとわりつく猫
猫が撫でられるのを好む場所だからといって、いつでも触っていいわけではありません。猫の機嫌が悪いときに触ってしまうと、嫌がられることもあるので気を付けましょう。

猫の気分を知ることで、撫でるタイミングや撫でるのをやめるタイミングを計れるようになります。下記ポイントに注意して愛猫の様子を見て、機嫌の良し悪しを判断してみてください。

猫の機嫌がよいとき

猫の機嫌がよいときに見せる様子をご紹介します。

・しっぽがピンと立っている
・飼い主に近寄ってくる
・ゴロンと横になっている
・喉をゴロゴロ鳴らす
・目を細めている


しっぽがピンと立っているのは、嬉しさを表現しています。機嫌がいいタイミングなので、撫でてあげると喜んでくれるでしょう。

また、飼い主に近寄ってくるのは、構ってほしいときです。撫でてあげると喉をゴロゴロと鳴らし、より甘えてくることも期待できます。

目を細めたり、ゴロンと横になったりしているのはリラックスしているとき。撫でたりお手入れをしたりするチャンスです。
ただし、抱っこをする、触りすぎるなど、猫の寛ぎを妨げるような構い方は避けましょう。

猫の機嫌が悪いとき

猫の機嫌が悪いときに見せる様子も確認しておきましょう。

・しっぽを激しくバタバタと揺らす
・耳が後ろに倒れる
・シャーと威嚇する
・唸る


猫はイライラしているときに、しっぽを激しく揺らします。犬は喜んでいるときにしっぽを大きく揺らすため、猫にも当てはまると勘違いする方もいるかもしれません。しかし、実は機嫌が悪いことを意味しているため注意しましょう。

耳が後ろに倒れているときは、恐怖を感じています。身を守ろうと必死になっているため、触るのは避けてください。

シャーと威嚇したり唸ったりするのは近づいてほしくないときなので、そっとしておきましょう。

猫を撫でる4つのメリット

猫を撫でる女の子
猫を撫でることには、さまざまなメリットがあります。ここでは、代表的な4つをご紹介します。

メリット1.飼い猫との絆が深まる

猫はクールで自由を好むイメージをもっている方が多いかもしれません。しかし、猫も深く信頼した相手には、懐いてくれるものです。
撫でることで、愛猫からの信頼を得、距離を縮めることができるでしょう。

メリット2.人と猫、お互いの幸福度が高まる

猫と飼い主の間に信頼関係があるとき、飼い主から撫でられた猫から、幸せホルモンと呼ばれるオキシトシンが分泌されるといわれています。

これは人にも当てはまります。人も猫に対して愛情を感じ、猫と触れ合うことでオキシトシンが分泌し、幸せな気持ちになれるのです。
猫を撫でてコミュニケーションを取ることで、飼い主も猫も幸福度が高まる効果が期待できるというわけです。

メリット3.健康チェックができる

毎日猫の体に触ることで、体調の異変に気付くことができるかもしれません。たとえば「今日は足を触るのをとくに嫌がる」「今までなかったしこりがある」などの、見た目だけではなかなかわからない異変です。

普段と違う様子があれば、かかりつけの動物病院に相談しましょう。異変にいち早く気付くことで、早めの対処や治療ができます。日常のスキンシップが、愛猫の健康維持に役立つのです。

メリット4.お手入れがスムーズになる

ブラッシングや爪切りなどのお手入れは、猫を触らないとできません。猫が飼い主に触られることに慣れていると、こうしたお手入れもスムーズにできます。爪切りを嫌がる猫も多くいますが、普段から触られ慣れているとスムーズに爪を切らせてくれるかもしれません。

耳を触られ慣れている場合、耳掃除も嫌がらずにさせてくれるでしょう。

まとめ

撫でられる猫
猫を撫でることで、飼い主も猫も幸せな気持ちになれます。撫でる場所やタイミングを見極めることも大切なので、猫の機嫌がいいときを狙って、喜ぶ場所を撫でてあげてください。

撫でることは猫の健康チェックの意味ももちます。猫の異変にいち早く気付いてあげられるように、撫でたり、マッサージしたりして、日ごろからスキンシップを取るようにしましょう。

ここで紹介したポイントに注意しながら猫を撫でることで、よりいっそう愛猫との絆を深めてくださいね。