子猫が夜に活動的になる理由

2匹の子猫
まずは、子猫が夜になると活動的になる3つの理由から解説しましょう。

最も活発な時間は明け方と夕方

猫は、夜に動き回るから「夜行性に違いない」という印象があるかもしれませんが、実は猫は夜行性ではありません。猫は、「薄明薄暮性」であり、明け方や夕暮れの時間帯に活発に動き回る性質があります。

とはいえ、眠っている人間にとっては、夜中も明け方も同じようなもの。夜中に大暴れしているような気がするものの、よく思い出してみるとうるさいのは明け方だったというケースも多いのではないでしょうか。

眠りが浅い

猫は、もともと人に飼われるようになるまで野外で暮らし、狩りをして生きていました。

そんな野生時代の名残りなのか、眠っている間も周囲の変化に敏感に対応できるよう大半の眠りは浅く、うたた寝状態なのです。

一度眠りに落ちれば何時間も起きない人間とは違い、猫は小さな物音で目を覚ましてしまい、目が覚めたからには「とりあえず走っておくか!」と騒ぎ出してしまうのです。

昼寝が影響している

飼い主さんが昼間不在だと、どうしても猫は退屈になりがち。その退屈な時間を寝て過ごすことも多いのです。そうすると昼夜逆転、夜は昼間にしっかり眠った分、体力が有り余っている状態になることがあります。

夜の運動会にはもってこいの生活スタイルになってしまっているのです。

ちゃんと寝てくれるようになるの?

寄り添って寝る2匹の子猫
夜に騒がしくなる理由はわかりました。しかし、この夜のバタバタがいつまでも続くのかと心配ですよね。一体いつまで続くのでしょうか。

子猫期限定のことが多い

夜になると活動的になってしまうことは、子猫期によくみられます。子猫は動き回ることで筋肉を鍛え、狩猟の力を育んでいます。

猫の年齢を人間に換算すると生後1年で約18歳、2年で約24歳。エネルギーがあり、精神的にも幼く活発な時期。子猫期特有の落ち着きのなさが原因であれば、猫が2歳になる頃には、気質や行動が徐々に落ち着いていく可能性が高いです。

人間の生活リズムを学習していく

最初は本能のままに動き回っていた猫も、人との生活に慣れるにつれて、だんだんと「夜は寝るものなんだ」と学習していきます。

飼い主が寝静まった夜、やることがなくなった猫は飼い主と一緒に眠り、ごはんをもらうために一緒に起きるという風に、徐々に人間の生活リズムに合わせるようになっていきます。

夜中の運動会、対策は?

毛糸玉で遊ぶ子猫

遊んで疲れさせる

子猫のエネルギーは底なしと思えるほど、元気いっぱい。エネルギーが有り余って夜の運動会になってしまっていることも多いです。日中、もしくは寝る前は一緒に遊んでエネルギーを発散させてあげましょう。

子猫であれば、1日15分程度で構いませんので、ねこじゃらしなどのおもちゃを使って左右、上下にいろいろな動きができるように一緒に遊んであげてくださいね。

どうしても遊ぶ時間が取れないという場合には、猫が一人で遊べるようなおもちゃを用意してみるのも手です。

うるさくても無視する

夜の運動会が始まったとき、「うるさい!」「やめなさい!」と怒りたくなる気持ちは分かります。ですが、一度始まった大騒ぎは飼い主が叱ったからといって辞めさせることはできません。

むしろ大声で叱るなどの反応を見せることが猫をさらに興奮させてしまい余計に収拾がつかなくなってしまいます。また、反応を見せてしまったことにより、騒ぐと構ってもらえると学習してしまうと毎晩のように騒ぎだす可能性もあります。「今日は仕方ない……」とあきらめて、子猫のエネルギー発散が終わるのを無視しながら待ちましょう。

また、マンションなど集合住宅に住んでいて運動会の騒音が気になる場合は厚手のマットを敷く、猫が触って音がするようなインテリアは置かないなどの工夫をしておくと、少し気持ちもラクになるかもしれませんよ。

多頭飼いをする

2頭以上の猫を飼うメリットは、飼い主が構えないときも一緒に遊んで体力を消耗してくれること。運動不足には効果的で、わざわざ飼い主を起こして遊んでもらわなくてもよくなるので、起こされる心配はなくなるでしょう。

ただし、一緒に夜の運動会を始めてしまうとヒートアップして、騒ぎが大きくなってしまう可能性もあるので要注意です!

キャットタワーを置く

仕事などの理由で昼間は一緒に遊べなかったり、多頭飼いも難しかったりする場合、体を動かしやすいおもちゃを用意してあげましょう。キャットタワーやキャットウォークを設置することは、運動不足解消に役立ちます。上下運動で適度に体を動かすことで、心地よい疲労感で夜眠りにつけるようになるかもしれません。

子猫が寝ている飼い主を起こしに来る理由は?

猫パンチをしている子猫
夜の運動会というほどの大騒ぎではなくても、夜中や夜明けに子猫が飼い主を起こすことがありますが、どうしてなのでしょうか。

理由1.おなかが空いたから

前述の通り、薄明薄暮性の猫にとって夜明けは動き回りたくなる時間であり、本来なら狩りをする食事の時間です。おなかが空いたために起こしてくることがあります。

ただし、だからといっておやつや食事をあげてしまうと子猫は、鳴けば食べ物をもらえると学んでしまいます。「おなかが空いているのかな」と思っても決まった時間以外はあげないようにしましょう。

理由2.トイレが汚いから

猫はとってもキレイ好き! トイレが汚れているから飼い主さんに掃除して欲しくて起こしている可能性もあります。寝る前には必ず猫のトイレを掃除しておく、トイレを増設するなどの対策をしてみてはいかがでしょうか。

理由3.遊んでほしいから

まだひとりで遊ぶことができない子やさみしがり屋さん、甘えん坊さんの子の場合、飼い主さんに一緒に遊んでもらいたくて起こしにくるのかもしれません。

少し遊んであげるだけで気が済んで収まる場合もありますが、夜中・夜明けに遊ぶことを習慣にしたくないのであれば無視をするのが効果的です。「寝ているときは鳴いても起きてくれない」ということを猫に覚えてもらうのです。

まとめ

あくびをしている子猫
猫はマイペースな生き物ですが、飼い方によって人間に合わせた生活パターンにすることはできます。なるべく昼間は遊んで体力を使わせるようにして、夜中や明け方にはいくら騒いでも相手をしないということを徹底して繰り返せば、夜の悩みはなくなっていくかもしれません。しかし、生活習慣を変えるのは人間でも大変です。対策を始めてすぐに変化は感じられなくても根気強く続けていくことが大切です。