猫砂を食べる理由

猫 猫砂 トイレ
猫が猫砂を食べてしまう原因は一つではありません。ここでは、考えられる3つの理由をご紹介します。
愛猫が猫砂を食べてしまったら、どれが当てはまりそうか確認してみましょう。

ストレス

猫は生活環境が変わることで、ストレスを抱えることがあります。

引っ越しや模様替えのほか、飼い主に子どもが生まれたり、ほかのペットが増えたりしたときには、愛猫の様子を注意深く見守る必要があります。環境が変わったことでストレスを感じ、猫砂を食べてしまうことがあるためです。

また、寂しい・つまらないという感情から飼い主の気を気をひくために、猫砂を食べてしまうことも考えられます。

空腹感・栄養の偏り

与えられたフードの量では足りない、あるいは栄養バランスが悪いなどの理由から、猫砂を食べてしまうことがあります。足りない栄養を補おうと、本能が働くことがあるようです。

また、食品原材料系の猫砂を使用している場合、においや感触からフードだと勘違いして食べることもあるため注意しましょう。

病気

内臓に疾患があったり寄生虫がいたりする場合に、猫砂を食べてしまうことがあります。猫砂を食べる異食だけではなく、過食または食欲不振、下痢、嘔吐、黄疸などの症状が見られたら、病気が原因の可能性もあるでしょう。

とくに過食で考えられるのは、以下の病気です。
  • 糖尿病
  • 甲状腺機能亢進症
  • 寄生虫感染症(回虫・瓜実条虫など)
  • 認知症

また、薬が原因で食欲が増進してしまい、猫砂を食べることもあるようです。

猫砂を食べさせないようにする対策

子猫とトイレ
ここでは、猫砂を食べさせないために飼い主ができる対策を3つご紹介します。愛猫が猫砂を食べる原因をなくす方法を以下のなかから探してみてください。

猫砂の種類を変えてみる

食品原材料の猫砂を使用している場合、においや感触がフードと似ていることから猫砂を食べてしまうことが考えられます。
食品原材料以外の猫砂も販売されているため、ほかの原材料の猫砂に変えてみましょう。

ストレスをなくす

ストレスが原因で猫砂を食べていると考えられるのなら、そのストレスが何からきているのか突き止めることが重要です。そのうえで、ストレスを取り除く方法を試してみましょう。

猫がストレスを感じている原因には、次のようなことが考えられます。

環境の変化

新しい家族が増えたことでストレスを感じているようなら、新しい家族と同じ空間で過ごさせるのは避けたほうがいいかもしれません。最初から同じ空間にいるのではなく、時間をかけて徐々に慣らすようにしてみましょう。
あわせて、猫がひとりで落ち着ける場所を用意してあげるのもおすすめです。

運動不足

運動不足が原因と考えられる場合は、キャットタワーやキャットステップを用意してあげましょう。視野が広くなること、ほかの猫に優位性を表現できることなどから、猫は高い場所を好みます。
キャットタワーは運動不足の解消に繋がるだけでなく、安心できる場所になるというメリットもあります。

もちろん、運動不足を解消するために、ねこじゃらしなどのおもちゃを使って、たくさん遊んであげるのもよいでしょう。

コミュニケーション不足

留守番が多くコミュニケーション不足だなと感じたら、愛猫とのスキンシップの時間をつくりましょう。
おもちゃを使って遊ぶ以外にも、猫が好きな場所を撫でる、ブラッシングをするのもおすすめです。

フードの量や回数を調整する

空腹から猫砂を食べてしまっていると考えられる場合は、フードの量や回数を少し増やしてみましょう。量を増やすことで肥満の心配があるのなら、ダイエットフードに切り替えるのも一つの手です。

とくに子猫は食欲も旺盛でたくさん動き回るため、より多くのエネルギーを必要とし、猫砂を食べてしまうことがあるようです。

猫が猫砂を食べてしまったときの対処法

子猫
猫が猫砂を食べてしまったら、どのように対処すべきかをご紹介していきます。猫砂を食べているところを見たら、慌てずにここでお伝えする対処法を試してみてください。

食べた猫砂の種類や量を確認する

愛猫が猫砂を食べてしまったら、まずは使用している猫砂の種類と食べた量を確認しましょう。

万が一食べてしまっても、少量であれば便と一緒に排出されることが多いようです。
しかし、主原料のほかに、凝固剤や消臭剤、吸水ポリマーなどの添加物が混在されている猫砂の場合は注意が必要です。水で固まるタイプの猫砂を食べてしまうと、胃や腸に詰まってしまうリスクがあります。

異常が見られたらすぐに病院へ

愛猫が猫砂を食べてしまったあとに、嘔吐や下痢などの異常が見られた場合は、速やかに獣医師に相談してください。
とくに子猫の場合は、すぐにかかりつけの動物病院へ連れて行きましょう。

動物病院へ行くときは、猫砂の成分や食べた量をメモしておき、獣医師に伝えられるようにします。

病院での処置

猫 聴診器
猫砂を食べても、少量であれば基本的に問題がないことが多いようです。しかし、量や原材料によっては、体調不良を起こすおそれもあり、動物病院へ連れて行くケースも起こり得ます。

病院ではレントゲン検査や超音波検査、X線検査などで、体の中にある猫砂を確認し、状況によって次のような治療をおこないます。
  • 催吐処置
  • 内視鏡
  • 胃洗浄
  • 開腹手術

猫砂の種類による特徴と注意点

猫砂
猫砂といっても、原材料はさまざまです。それぞれメリットやデメリットが異なるため、愛猫が好む猫砂を選ぶ、または飼い主が扱いやすい猫砂を選ぶ必要があるでしょう。

ここではメリットとともに、猫が食べると危険がある、もしくは食べてしまうリスクが高いなどのデメリットにも注目して猫砂の種類を紹介していきます。

鉱物系

粘土の一種のベントナイトを主成分とした猫砂で、水を含むと膨らむ性質をもっています。

砂が細かく、おしっこを吸収してしっかりと固まるため、汚れた猫砂だけを取り除けるのがメリットの一つ。さらに、消臭力が高いのも特徴で、猫のトイレの置き場所を選ばないのも魅力といえます。

安価で販売されているものが多くコスパのよい猫砂といえますが、鉱物なので自治体によっては燃えるごみでの処理ができない可能性があります。

また、鉱物系の猫砂を日常的に食べていた猫が、低カリウム血症と重度の貧血を起こしてしまった事例があるため、愛猫が食べないように注意が必要です。

紙系

紙を主原材料としている猫砂で、再生パルプも使用しているものを指します。
軽くて持ち運びやすいことや、トイレで流して破棄できることが魅力といえるでしょう。

軽いため飛び散りやすいというデメリットがあります。リサイクル用の紙が使われている猫砂は、加工時に化学製品の粘化材や凝固剤、消臭剤が使われることがあるのも気になるポイントかもしれません。

さらに、吸収ポリマーが使われている猫砂もあり、猫が食べてしまうと唾液や胃液を吸収し、猫の体内で膨張してしまうことも考えられます。膨張したものが蓄積すると、消化器系に大きなダメージを与えることもあり得るため、注意しなければならないでしょう。

木材系

木系の猫砂とは、木のチップやおがくずを主原材料としたものです。軽くて消臭性があり、燃えるごみとして処理できるのが魅力でしょう。さらに、植物性100%の猫砂であれば、そのまま土に還すことも可能です。

鉱物系と比べると、固まり方は弱いといえます。軽い猫砂なので散りやすく、ほこりっぽくなるのが難点でしょう。

また、紙系として売られていても凝固剤としてベントナイトを使用しているものもあるようです。使用されている材料をしっかり確認しておく必要があります。

食品素材系

おからを使用している猫砂です。価格も安く、トイレに流せるものが多く販売されている点が魅力です。

鉱物系の猫砂と比較すると、固まり方はゆるやかです。猫のおしっこのアンモニア臭とおからの臭いが混ざると、独特な悪臭が発生します
また、化学合成品の凝固剤や消臭剤、防腐剤が使われているタイプも販売されているため、購入時にチェックしてみてください。

食品を使用した猫砂のため安心して使用できますが、猫がフードと間違えて食べてしまうことも考えられるため、はじめて使用する際はよく観察しておきましょう。

シリカゲル系

固まらないタイプの猫砂です。乾燥剤に使用されることが多いシリカゲルを主原材料とした猫砂で、消臭効果が高いのが魅力です。
1カ月交換不要、おしっこの掃除は必要ないなどのタイプもあるので、トイレ掃除の手間を減らせるのも大きなメリットです。

少量のシリカゲルであれば、猫が食べてしまっても中毒を起こす心配はないといわれています。
しかし、シリカゲル系は鉱物のため、自治体によっては燃えるごみで処理できません。ほかの猫砂と比較すると高価なものが多い点もデメリットかもしれません。

まとめ

子猫 トイレ 猫砂
愛猫が猫砂を食べてしまったら、どのような対応をすればいいのか、不安になってしまうでしょう。食べたあとに嘔吐や下痢などの症状がなければ、お家で様子をみても大丈夫です。しかし、少しでも様子がおかしいと感じたら、すぐに動物病院を受診してください。

あわせて、猫砂を食べずに済むように、ここで紹介した対策をおこなってみましょう。愛猫の健康を守るためにも、猫砂を食べる原因を取り除く工夫が必要です。