旅行中、猫はどうする? 主な預け先は3つ

キャットタワーでくつろいでいる2頭の猫
旅行や帰省で家を空けるとき猫を預けられる方法は、ペットホテルを利用する、ペットシッターに自宅で世話をしてもらう、信頼できる知人にお願いする、の3つがあります。

猫は環境の変化に敏感な動物なので、どの方法が安心かは性格や健康状態、留守にする日数によって異なります。このあと、それぞれの特徴と利用時の注意点について詳しくご紹介します。

猫のペットホテルってどんなところ?

部屋で爪とぎしている猫
ペットホテルは、犬や猫などのペット専用の宿泊施設です。ホテルサービスのみをおこなう専門施設のほか、動物病院やトリミングサロンに併設されているタイプもあります。

猫の場合は、犬と同じ空間ではなく、専用の猫部屋があるホテルを選ぶことが大切です。施設によって設備やサービス内容はさまざまなので、事前に見学や問い合わせをして確認しましょう。

ペットホテルのサービス内容

施設内滞在

猫は基本的に室内で過ごすため、個別ケージやキャットタワー付きの個室、上下運動ができる専用スペースが用意されているホテルもあります。
複数の猫と同じ空間で過ごすか、完全個室にするかはホテルによって異なります。

食事・水の管理

普段食べ慣れているフード以外は口にしない猫も多いため、いつも使っているフードや食器を持参できるかを確認しましょう。
給餌・給水の回数や方法も事前に相談しておくと安心です。

トイレ掃除

滞在中はホテルスタッフがトイレの掃除をおこないます。
猫はトイレ環境の変化に敏感なので、可能であれば普段使っている猫砂を持参するとストレス軽減につながります。

見守り・健康チェック

滞在中の様子を写真やメッセージで送ってくれるホテルも増えています。
夜間の見守り体制や、急な体調変化時の対応も確認しておきましょう。

ペットホテルの料金

多くは1泊(1日単位)での設定です。
猫は犬より料金が安い場合もありますが、完全個室や長期滞在は割高になる傾向があります。猫のペットホテルの料金相場は1泊2,000〜5,000円程度ですが、都市部や猫専用ホテルではもう少し高めになることもあります。

事前予約が必要な施設が多いため、旅行の予定が決まり次第問い合わせましょう。

利用するときの注意点

動物取扱業登録の有無を確認

ペットホテルの営業には動物取扱業の登録が必要です。
施設のホームページや入口に登録証や責任者の表示があるか確認しましょう。

健康状態や年齢制限

体調不良の猫やシニア猫、ワクチン未接種の猫は利用できない場合があります。
持病のある猫やシニア猫の場合は、獣医師併設のホテルを検討すると安心です。

ストレス対策

猫は環境の変化に弱く、慣れない場所では食欲不振や体調不良を起こすこともあります。可能であればお試し宿泊や短時間の預かりで慣らしてから本番に臨みましょう。

また、いつも使っているベッドや毛布、飼い主の匂いがついたタオルなどを持参すると安心します。フードや猫砂も必要に応じて用意しましょう。

猫のペットシッターって何をしてくれるの?

自宅の椅子の上に座っている留守番中の猫
ペットシッターは、自宅に来て猫のお世話をしてくれるサービスです。
主に会社・団体、または個人で活動している場合があり、利用の流れは「申し込み → 事前打ち合わせ → 当日訪問」という形が一般的です。

最大のメリットは、猫が慣れた自宅環境で過ごせるため、環境変化によるストレスを最小限にできること。長時間の外出や旅行時だけでなく、急な入院や出張の際にも便利な選択肢です。

ペットシッターのサービス内容

食事・水の交換

普段通りのフードや水を与えてくれます。
猫は環境の変化に敏感なため、いつも使っている食器や給水器をそのまま利用してもらうと安心です。

トイレ掃除

猫にとって清潔なトイレはとても重要です。
滞在中の排泄状況をチェックし、異常があれば報告してくれるシッターも多くいます。

遊びやスキンシップ

短時間でも遊んだりブラッシングしたりしてくれる場合があります。
甘えん坊な猫や、適度な運動が必要な若い猫には嬉しいポイントです。

ペットシッターの料金

多くは時間制で、1回あたりの料金は2,000〜4,000円程度が目安で、距離や時間帯、オプション内容によって加算されることがあります。

また、猫のペットシッター料金は、犬よりもやや安く設定されているケースもあります。

ペットホテルより割高になることもありますが、猫のストレスを減らせる点では魅力的です。

利用するときの注意点

動物取扱業登録の確認

ペットシッターとして営業するには「第一種動物取扱業」の登録が必要です。
登録番号や責任者の名前が明示されているか確認しましょう。

鍵の管理

他人が自宅に入るサービスなので、防犯面は重要です。
鍵の受け渡し方法、保管方法を明確にし、必要に応じて預かり証を発行してもらいましょう。

事前打ち合わせ

食事のタイミング、トイレの掃除方法、遊びやスキンシップの可否、緊急時の連絡先などを事前に共有します。
打ち合わせで、猫の性格や健康状態も伝えておくと安心です。

猫を知人に預けるときの注意点

食事中の猫

どんな人に預けるか

飼い主と信頼関係があることはもちろん、猫の扱いに慣れている人にお願いするのが理想です。過去に猫を飼った経験があり、室内飼育や脱走防止などの環境が整っていることが望ましいでしょう。

猫は警戒心が強い動物なので、相手宅に慣れるまでに時間がかかる場合があります。できれば、事前に何度か顔合わせをしたり、お試しで数時間預けてみたりして慣らしておくと安心です。

伝えておくこと・準備

猫を預けるときの準備はとても重要です。猫は環境の変化に敏感なため、できるだけ普段と同じ生活スタイルを再現できるようにしておきましょう。

たとえば、フードの種類や与えるタイミング、トイレ掃除の手順、猫の性格の癖(抱っこが苦手・脱走しやすいなど)を紙にまとめて伝えるのがおすすめです。

また、普段使っているベッドや毛布、トイレ砂や食器など、猫が安心できる物を持参しましょう。自宅と同じ環境に近づけることが、猫のストレス軽減につながります。

お礼について

気心の知れた相手でも、猫を預かるのは手間も時間もかかります。とくに猫は犬のように散歩こそ不要ですが、慣れない猫との接し方や脱走防止に気を配る必要があります。

預かってもらった感謝の気持ちは、お礼やお土産などでしっかりと伝えることが大切です。

猫を留守番させるときの注意点と対策

ソファの上に乗っている猫

猫は自宅での留守番が理想的

猫は環境の変化に敏感で、知らない場所ではストレスを感じやすい動物です。

旅行や長期の外出時は、できるだけ自宅で過ごせる方法(ペットシッターや知人の訪問など)を選ぶのが理想的。環境の変化による体調不良や食欲低下を防ぐ効果も期待できます。

脱走防止策の徹底

預けたり、お世話をお願いしたりする場合には、必ず脱走防止の重要性を伝えましょう。窓や玄関の開閉時の注意、網戸ロックの使用、ケージやキャリーケースの確実な施錠などが必要です。

知らない環境に置かれると、猫は本能的に外へ出ようとすることがあります。普段おとなしい猫でも、脱走を試みるケースが少なくありません。

多頭飼いの猫を預けるときの工夫

性格や相性によっては、猫同士を別室で預けたり、部屋を区切っておくほうが安心です。仲が良くても、慣れない環境ではストレスからケンカに発展することも。

ペットホテル利用時には、個室や別室対応ができるか事前に確認しましょう。
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まとめ

窓辺に座っている猫
猫を長期間預ける方法は、ペットホテル・ペットシッター・信頼できる知人への依頼の3つがあります。それぞれにメリットや注意点があり、猫の性格や健康状態に合った選び方が大切です。
どの方法を選ぶ場合でも、脱走対策やストレスを防ぐ工夫、事前の準備も欠かせません。猫は環境の変化に敏感なため、できるだけ自宅で世話を受けられる方法を検討するのも有効です。
留守番中も猫が安心して過ごせるよう最適な方法を選びましょう。