子どもが猫をほしがったときに検討すべきこと

子猫を抱く少女
近所で猫を見かけた、触れ合い型の動物園で猫と触れ合った、あるいは猫を飼っている友達がいるなど、何らかのきっかけで子どもに「猫を飼いたい!」と言われることがあるかもしれません。

生き物を迎えるということは、簡単に決められることではないですよね。まずは、子どものいる家庭で、猫を迎え入れるために検討すべきことを解説します。

猫を迎えるタイミング

子猫を迎えるのに最適なタイミングはいつでしょうか。子どもが幼稚園・保育園児であればペットのお世話は可能ですが、できることは限られています。

小学生になれば、できるお世話の幅は広がります。けれど、生活が変わり行動範囲も広がるため友達と遊ぶ、習い事に熱中するなど興味の対象も変わり、率先的にお世話してくれなくなる可能性もあります。

中学生以降は勉強や部活、受験、いずれは親元を離れて生活するという可能性も出てきます。そういった子どもの成長に伴う家庭状況の変化にも考慮して、迎えるタイミングが今なのかどうかを検討しましょう。

猫アレルギーの有無

子どもの猫アレルギーの有無は、飼う前に必ず確認しておきたいことです。くしゃみや鼻水といった軽い症状の場合もありますが、アレルギー症状が重傷だとぜんそく症状を起こすこともあります。猫を迎える前に一度、病院で検査することをおすすめします。

猫アレルギーを完治させることはできませんが、猫と一緒に暮らすうちに症状が緩和していった例も少なくありません。すでにアトピー性皮膚炎やぜんそく、アレルギー性鼻炎がある子どもや、検査の結果、猫アレルギーが判明したという場合でもまずは医師に相談してみましょう。
関連する記事

猫の飼育にかかるお金

猫を飼う上で、どのくらいの費用がかかるのかも考えておかなければなりません。

ブリーダーやペットショップから迎える場合はその購入費、毎日のフードやおやつはもちろんのこと、トイレや寝床、おもちゃなど猫が生活する上で必要な日用品、予防接種や避妊・去勢手術、病気になった際の通院費、ペット保険など、初期費用だけではなく猫の生涯にかかる費用を十分に理解しておくことが大切です。
関連する記事

猫のお世話の分担

「子どもがペットのお世話をしてくれたのは、最初だけ」という話は、聞いたことのある人も多いのではないでしょうか。子どもは成長とともに興味の対象が変わっていくため、仕方のない部分はあるでしょう。けれど生き物を飼うことに対する責任感を養うためにも、子どもが担当する役割は決めておきましょう。

飼う前や飼いはじめは、子どもがはりきってあれもこれも担当したいと言ってくることもありますが、まずは子どもが一人でできる世話、継続できる内容のお世話を担当させるのがいいでしょう。

子どもが猫の世話をしない! やってはいけない対処法

丸くなった猫
「ちゃんと世話をすると約束して分担を決めたのに、子どもが猫の世話をしなくなった!」いうことはあり得ます。親として少し寂しく、残念に思うでしょう。約束を守れなかったことに怒りや不満を感じるかもしれません。

しかし次のような方法で、子どもに猫の世話を促すのはNGです。避けるべき行動と、その理由について解説します。

頭ごなしに子どもを叱る

「自分が飼いたいって言ったんでしょう!」「ちゃんとお世話して!」と強く言ってしまうと、子どもは楽しく猫の世話ができません。

とくに興味の対象が別のものに変わっている場合は“怒られるから”という思いが生じ、イヤイヤ世話をすることになってしまいます。それは猫にとってもあまり幸せなことではありません。

黙って親が世話をする

「どうせ言ってもやらないし……」「もう猫の世話は飽きたんだな」とあきらめ、親が黙って猫の世話をしてしまうと、子どもの責任感は養えません。

「お母さん(お父さん)がやってくれるからいいや」と、ますます世話をしてくれなくなるでしょう。また、猫は世話をしてくれる人に懐くので子どもと猫との間に距離ができてしまうこともあります。

子どもが猫の世話をするまで待つ

子どもがお世話を怠っているのに何もせず様子を見続けたり、『世話をしないからこうなるのだ』、という戒めのために、猫の生活空間を汚れたままにしておく、などの行為は決してするべきではありません。

家の中だけで生活している猫は、人間がお世話をしなければ生きてはいけません。餌さえあげれば大丈夫というわけでもありません。

トイレ掃除や被毛のケア、適度なスキンシップを取りながら猫に運動を促すことなど、必要なお世話を一つでも怠れば、猫の健康状態は悪化し、病気になったり、問題行動を起こしたりすることになりかねません。最悪、死んでしまうことだってあるのです。

そうなってしまっては、子どもに命の大切さを伝えることはできません。
子どもが世話をしなければ、親がすることになります。その覚悟なしには猫を迎えることはできないのです。

子どもに上手に猫の世話を促す方法

猫に餌をあげる兄弟
まずは、親自身が世話を楽しみながら猫と関わる姿を子どもに見せます。そして、子どもが「猫の世話をしたい、一緒に遊びたい」と思ってくれるような働きかけをしましょう。

責任感を持たせる

自分よりも小さな命の世話をすることは、思いやりや責任感を育みます。お父さんやお母さんの“お手伝い”ではなく、子どもが世話係のリーダーであるという意識を持たせるといいでしょう。

猫のおもちゃやフード、日用品などを購入する際は、子どもの意見も聞きます。場合によって採用できないものがあるかもしれませんが、譲れる部分は子どもの意見を尊重してあげましょう。

また、子どものお小遣いで購入させてもいいかもしれません。猫にとって“自分は必要な存在”だという意識を子ども自身が持てるようになります。

子どもへの声がけのコツ

子ども自身が「世話をしたいな」「世話をしてあげなくちゃ」と思えるように、子どもだけ、あるいは親だけで世話するのではなく「一緒にやろうよ」と誘ってみましょう。猫が大切な家族の一員であるということを、子どもが思い出すような声がけも効果的です。

  • 親が世話をする前に声をかける。 
    例)「今から、猫にご飯をあげるね」
  • 世話をすることで、猫と心が通じ合えることを教える。 
    例)「猫は、お世話をしてくれる人のことを好きになってくれるんだよ」「〇〇(子どもの名前)が一緒に遊んでくれて、猫もうれしそうだね」
  • 猫が見せるしぐさや行動、かわいさを共有する。 
    例)「学校に行っている間、猫がこんなおもしろいことをしていたよ」

親自身が猫を飼う覚悟があるか考えよう

興味・趣味の変化、受験、部活など、成長に伴い子どもが世話をしてくれない、あるいは世話をする時間がないという可能性は避けられません。また、何年後かには独り立ちして家を出ていくこともあるでしょう。

つまり、子どもの発言がきっかけで猫を飼う場合でも、責任は親にあり、親がお世話をする覚悟は必要なのです。親が、最後まで猫の面倒をみることができるかどうかを検討し、最終的な判断を下さなくてはなりません。

子育てと猫の世話の両立ができるか、自分の仕事や子どもの入学、受験といった迎えるタイミングについて考えることも必要です。責任をもって迎えることができるか、親子でしっかり話し合いましょう。

まとめ

猫と遊ぶ男の子
家族の一員として猫を迎えることは、子どもの情操面に大きくいい影響を与えるものです。猫の世話を通して責任感を養ったり命の尊さを学んだり、つらいことや悲しいことがあったときには心の支えとなることもあるでしょう。

猫を飼うことを検討している場合は、迎えるタイミングや世話の分担をしっかり話し合うことはもちろん、子どもが世話をしてくれないことがあっても親がフォローできるか、最後まで面倒をみられるかどうかを考えた上で迎えてくださいね。
関連する記事