猫砂を選ぶポイント

トイレに座る子猫

1.消臭力

トイレと切り離せないのが「排せつ物の臭い」。家中、猫のトイレの臭いになってしまうのは避けたいですよね。実際、臭い問題で「猫砂を変えよう」と思い立つ方も多いです。猫もおしっこ臭がするトイレを嫌うので、トイレを我慢してしまったり、粗相してしまったりします。
もし消臭効果の低い砂を使用していると交換頻度が増え、猫砂の消費量がどんどん増えていくことに……。
猫の健康とコストパフォーマンスの両面を考えると、消臭力がある砂を選ぶのがおすすめです。

2.掃除のしやすさ

消臭力に次いで多くの方が重視するのは「掃除のしやすさ」や「掃除の手間」についてのようです。実際、猫砂のパッケージには「トイレに流せる」「飛び散りにくい」「1カ月交換不要」など、掃除に関する言葉が多く並んでいます。
使うのは猫ですが、掃除するのは飼い主さんということを踏まえて、猫も人も快適に使える猫砂を選びたいですね。

3.猫のこだわり

猫のためを思ってベッドやおもちゃなど猫グッズを買っても、猫がまったく使ってくれない!なんてことは猫を飼っていると数多く経験するでしょう。猫砂に関しても例外ではありません。
猫が重視するポイントは、「におい」と「触感」のようです。

においとは、猫砂自体のにおいのことです。
猫砂は木、紙、おからなどさまざまな素材を原料にしています。香料を使用しているものもあり、素材のにおいや香料を嫌ってトイレを使用しないことがあります。

触感とは、トイレに入って踏んだときの感覚です。
足が沈むのがイヤ、肉球にはさまるのが不快、チクチク痛いなど猫によってこだわりはさまざま。おしっこはがまんして使えるけど、うんちは無理!という場合もあります。

猫砂の種類

トイレットペーパーの隣にいる猫
猫砂には、大きく分けて2つのタイプがあります。

カゴのようなトイレに直接猫砂をいれて使用するものと、システムトイレに使用するものです。

システムトイレとは上にすのこ状のカゴ、下にトレーという二重構造のトイレのことです。すのこ状の部分に猫砂をいれ、下のトレーには専用シートを敷きます。

どちらの猫砂もトイレの形状に合わせて作られているので、通常のトイレにシステムトイレ用の砂、システムトイレに通常用の砂をいれて使用することは避けましょう。掃除の手間の増加、猫砂を無駄にしてしまうということになりかねません。

トイレに流せないタイプ

猫砂とトイレスコップ

猫が好む鉱物系

鉱物系猫砂の基本情報
タイプ:固まる
主原料:ベントナイト
形状:細かい砂状、小さめのペレット状
重さ:重め
価格:安価なものが多い

メリット
・がっちり固まるため掃除が楽
・猫が好みやすい
・消臭力が強い

デメリット
・ほこりが立ちやすい(特に砂状のタイプ)
・散らばるとじゃりじゃりする(砂状の場合)


編集部スタッフが使ってみた感想
固まり具合が素晴らしかったです。がっちり固まってくれるので、汚れたところをしっかり取り除くことができました。余分な砂を捨てることがなくなり、コストパフォーマンスは優秀。また、汚れていない砂におしっこの臭いがつくということもなく、消臭力も文句なしでした。しかし、ほこりとトイレ周りのじゃりじゃり感は否めません。
また、猫が砂をかくと、かなり粉塵が舞いました。フルカバーのトイレを使っている場合、トイレ内に砂ぼこりが充満する可能性があります。くしゃみや咳をしやすい猫、鼻炎持ちの猫の場合は、少々刺激になるかもしれません。
鉱物系の砂を使用中、猫に変わった様子はありませんでしたが、「こんなにがっちり固まる砂の粉塵を吸い込んだり、砂がついた手足をなめたりしても大丈夫なんだろうか?」と不安に思うことはありました。

システムトイレ用撥水タイプ

システムトイレ用猫砂基本情報
タイプ:固まらない(水分を吸わない)
主原料:シリカゲル、ゼオライト、木材、紙など
毛状:球状、ペレット状、石ころのようないびつな粒状
重さ:やや重めが多い(原材料による)
価格:やや高め

メリット
・掃除が楽
・消臭力が高い
・ほこりがたたない
・飛び散りにくい

デメリット
・粒が大きいのもが多いため、苦手な猫もいる
・トイレに砂が当たる音が少々うるさい

編集部スタッフが使ってみた感想
システムトイレ用の猫砂は、尿を固める機能がないので、通常のトレイには適しません。使ってみると、粒が硬めで大きいため、トイレにあたる音が大きいと感じました。
ただ、普段からシステムトイレを使う家庭には向いていると思います。システムトイレ用の猫砂は、消臭効果があったり、ほこりが立たなかったりと、メリットも。猫によっては気に入らないこともあるので、お試しで使ってみるのもいいかもしれません。

汚れた猫砂をためておくのが不安な方

トイレに流せないタイプの猫砂を使用するときに気になるのは、汚れた砂やうんちはどうするの?ということですよね。
猫砂のパッケージに書かれている注意書きや自治体のルールに従って処分しなければいけませんが、ゴミの日までは家で保管することになります。

保管方法でよく聞かれるのは、小さい袋にいれ縛って捨てる方法や蓋つきのゴミ箱に捨てるという方法です。
しかし、どんなにきつく縛っても臭いが漏れてくる、ゴミ箱を開けるたびに臭くてつらいという声が聞かれます。

流せないタイプを使用したくても、ゴミをためておくのが不安な方、今まさにゴミの臭いに悩んでいる方には専用ゴミ箱「リターロッカー」がおすすめです。
蓋をあけても臭いが漏れない構造で、さらに特殊フィルムが臭いと雑菌をシャットアウトしてくれます。実際にリターロッカーを使用して、ゴミの日まで臭いが気にならなくなった!という方が多いようです。

専用のカートリッジがあるので、袋がなくなっても本体ごと買い替える必要がなく、経済的にもうれしいですね。

トイレに流せるタイプ

トイレットペーパーにからまった猫
次にトイレに流せるタイプについて解説します。
このタイプの最大のメリットは処理のしやすさでしょう。流せないタイプと違って汚れた砂やうんちをためておく必要がなく、処理のストレスがかなり軽減されます。
しかし注意してほしいのは、自治体や集合住宅によって流せるタイプでもトイレに流すのを禁止している場合があることです。お住いの地域の役所や大家さんに処理方法について確認してください。
また、流すときはトイレに詰まるのを防ぐために、「1回に流す量はおしっこ1回分」を守りましょう。

流せるタイプの猫砂全般のデメリットは流せないタイプに比べ、固まりが弱いことです。そのため掃除の際におしっこ玉が少し崩れることが多いです。

口に入っても安全なおから系

おから系猫砂の基本情報
タイプ:固まる
主原料:おから、コーンスターチ、炭酸カルシウムなど
形状:ペレット状、タブレット状、円筒状
重さ:軽め
価格:安価なものが多い

メリット
・食品系なので猫の口に入っても安全
・燃えるゴミで処理できる(商品による)
・よく固まる

デメリット
・おから独特のにおいがある
・食べてしまう猫がいる
・使用していくにつれて粉状に砕けることが多い

編集部スタッフが使ってみた感想
まず、おからとコーンスターチなどが原材料の砂を使用してみました。結果、砂をおいしそうにポリポリ食べてしまう事態に……。
トイレとして使用してくれるものの、おなかが空いたときにトイレに砂を食べに行くようになりました。口に入っても安全ですが、防腐剤が利用されている場合もあるため、1袋使いきったところで使用をやめてしまいました。
次におからと木材が混ざったタイプを試しました。
食べることなく使ってくれたのでよかったです。消臭力はまずまずといったところでしょうか。臭いと感じたことはありません。
しかし、汚れた砂が多くなってくるとさすがに臭ってしまうので、1~2週間に一度は全替えをおすすめします。

処理のしやすさが魅力の木系

木系猫砂の基本情報
タイプ:固まる、濡れると崩れる(システムトイレ用)
主原料:木材、コーンスターチなどのでんぷん
形状:ペレット状
重さ:軽い
価格:安価なものが多い

メリット
・自然な木の香りがする
・軽い
・安全性が高い(原材料が木材のみの場合)
・トイレに流せるほか、燃やせるゴミや土に返せるものもある

デメリット
・固まりが弱い
・崩れやすい
・ほこりがたつ
・軽さゆえに飛び散りやすい

編集部スタッフが使ってみた感想
固まるタイプ
砂が軽く、子猫でもきちんと砂を掘れていました。木の香りが割と強いので、消臭力は高いほうだと思います。
気になった点は、猫の毛にくっついてしまうところです。木の猫砂は表面がざらっとしていることが多く、特に長毛の猫はおなかと足を中心に、砂だらけになりました。
ブラッシングしてもなかなか取れないため、長毛種の猫を飼っている方は表面がツルっとしている商品を選ぶことをおすすめします。

崩れるタイプ
濡れるとおがくず状に崩れるタイプです。通常のトイレだと掃除がうまくできないので、システムトイレで使用しましょう。
おがくずを圧縮して固めているものが多く、糊剤や香料など余計なものが入っていないのが好印象でした。においは木の香りがとても強かったです。使われている木材によって(ヒノキ、パインウッドなど)香りは違います。
下のトレーに汚れた砂が溜まっていきますが、家のなかがおしっこ臭くなることはなかったです。ただし、トレーは最低でも1週間に1度はチェックするようにしましょう。
こちらも流せるタイプですが、一度に大量に流すと詰まる恐れがあるため、トレーにたまった砂を一気に流すことは避けてください。

紙製なら体調管理もぱっちり? 紙系猫砂

紙系猫砂の基本情報
タイプ:固まる
主原料:紙(再生紙など)、吸水ポリマーやベントナイト、でんぷんなど
形状:ペレット状
重さ:軽い
価格:安価なものが多い

メリット
・手に入りやすい
・尿の色がわかりやすく、体調管理がしやすい
・濡れた場所がわかりやすい

デメリット
・ほこりがたつ
・だんだんと全体が湿気ってくる
・トイレの底やスコップにこびりつく(ポリマー系)

編集部スタッフが使ってみた感想
濡れた部分がブルーに変わるタイプと変わらないものどちらも使用。どちらも濡れた場所がわかりやすく、助かりました。しっかり固まってくれたので、掃除がしやすかったです。また、ペットショップ以外にスーパーやドラッグストアでも取り扱っていることが多いので、手に入りやすく、万が一ストックを買い忘れても大丈夫という安心感がありました。
気になった点は空気中の湿気を吸ってしまうようで、日が経つと砂全体が湿気ってしまうところです。
全体的に湿ってしまうともっさりした感じに。「湿ってる=汚い」という認識になっている我が家の猫は入りたがらず、全替えする必要がありました。梅雨時期は砂の消費が激しくなってしまうと思います。

猫砂を試してみよう

タオルの上で寝る猫
猫のトイレの数は「頭数+1」が推奨されています。それを利用して、設置しているトイレのうち1つを思い切って新しい猫砂にしてみましょう。用意するのは1袋で十分です。

新しい猫砂が気に入らなくても、今までの砂が入っているトイレも使えるため、猫に与えるストレスも最小限にできます。もともとの猫砂と新しい猫砂のどちらを好むのか、分かりやすいです。
また、猫の好み以外にも今までの猫砂と掃除のしやすさ、消臭力、飛び散り具合なども合わせて比較できます。


この方法を試す際は、一度猫トイレをすべてきれいな状態にしましょう。
砂の好みではなく、おしっこの臭いがしないトイレを使用しただけという事態を避けるために、全替えのタイミングやトイレを洗ったあとに試すのがおすすめです。
できれば、トイレの形状(フルカバー、上から入るタイプなど)も同じもので行うのが望ましいです。

まとめ

トイレから顔を出す子猫
猫の好む猫砂が人間にとっても使いやすい猫砂というわけではないようです。
どの素材にも一長一短ありますが、いろいろなものを試して猫と飼い主さんの好みに合うものを探ってください。
猫が使ってくれることが大前提ですが、人にとっても使いやすいものを見つけたいですね。

また、好みの猫砂を用意してあげるのと同じくらい、猫のトイレを清潔にしておくことが大事です。トイレの整備は猫の健康管理の第一歩だと思って頑張りましょう。
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