猫の年齢を人間に換算すると?

本を読む猫
猫は人間より早く年をとっていくものです。環境省が発表しているガイドラインでは、猫の年齢と人間年齢の違いが説明されています。

猫の年齢 早見表

猫の年齢人間換算した年齢
1歳15歳
2歳24歳
3歳28歳
5歳36歳
10歳56歳
15歳76歳
20歳96歳

猫の1歳は…人間で言うと15歳

子猫は生後1年の間にぐんぐんと成長し、成猫になります。親もとを離れ、さまざまな経験を経て多くのことを学習し、人間との暮らしに慣れていく時期です。

猫の2歳は…人間で言うと24歳

1歳を過ぎて2歳になると、年をとるスピードも遅くなっていきます。去勢をしていないオス猫は、発情期が盛んになる時期です。

猫の3歳は…人間で言うと28歳

オス猫の盛りがピークに達する時期です。毛並みもよく、成猫としての美しい姿が感じられます。

猫の5歳は…人間で言うと36歳

まだまだ若い年代ですが、歯石が付きやすくなるなどの変化も見られるようになります。

猫の10歳は…人間で言うと56歳

猫は7歳から8歳を過ぎるころから、シニア期へと入っていきます。10歳になると体の衰えや、外見の老化が見られるようになります。

猫の15歳は…人間で言うと76歳

平均寿命にあたる15歳ごろになると、すっかりおじいちゃん・おばあちゃんです。食欲が落ち、体の機能が衰えて、できないことも多くなっていきます。

猫の20歳は…人間で言うと96歳

20歳の猫は、人間にたとえると100歳目前。20年生きればかなりの長寿といえるでしょう。この年齢になると、足が弱くなったり、病気などで動けなくなったりして、寝たきりのような状態になることがあります。
参考文献
飼い主のためのペットフード・ガイドライン(https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/pamph/petfood_guide_1808/pdf/4.pdf

猫の年齢の見分け方

猫と飼い主
野良猫などで猫の生まれ年がはっきりしないときでも、外見でだいたいの年齢を見分けることができます。
見た目に年齢が表れやすい歯や被毛、体型などをチェックしましょう。

子猫のころは白かった歯も、成猫になって、年をとるにつれて黄ばみが出てきます。

茶色っぽい歯垢がたまり、口臭が出てくるのもシニア期の特徴です。さらに老化が進むと、歯がすり減ったり抜けたりするようになります。

被毛や爪

濃かった毛の色が薄くなってきたり、顔の周りに白い毛(白髪)が混ざりはじめたりするのも老化のサイン。
若いときはツヤツヤと輝いていた被毛も次第にツヤが消え、パサついて見えるように……。老化によって毛づくろいの回数が減ると、毛づやが無くなったり、毛玉や絡まりが増えたりすることもあります。

そのほか、爪とぎの回数が減り、爪が長く伸びたままになるなどのサインも見られます。

目ヤニ

目にほこりや汚れが入ることで目ヤニが出ますが、シニア期になると涙の量が増えて目ヤニが付きやすくなります。

体重、体格の変化

猫の食欲や運動量が変化すると、若いころと体格も変わってきます。

シニア猫は、運動量の低下により太ももが細くなる傾向があります。運動が少なくなったにも関わらず食べる量が変わらないと、肥満気味になることも。加齢によるおなかのたるみも見られるようになります。

猫に長生きしてもらうための秘訣

診察中の猫
大事な猫に長生きしてもらうためには、どんなことが必要でしょうか。飼い主として日ごろから意識すべきことは、以下のようなポイントです。

避妊・去勢手術をする

多頭飼いをしないときでも、繁殖させる可能性がない猫には避妊または去勢手術を受けさせるのがよいとされます。

手術済みの猫は、未去勢の猫と比べて約1.5年寿命が長いといわれることも。避妊・去勢手術をすることで、発情によるストレスの影響や、身体への負担を減らすことができます。
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食事管理の徹底

猫用の食事は、子猫用、成猫用、シニア猫用と、年代別に分れたフードが販売されています。運動量が少なくなった猫に与えるローカロリーフードや、逆に消化機能が低下した猫でもしっかり栄養をとれるハイカロリーのフードもあります。
ごはんは猫の年齢にあった量に調整し、カロリーや栄養分のコントロールを徹底しましょう。

そのほか、被毛の状態を美しく保つものや、腎臓の健康を考慮したものなど、目的に応じてさまざまな種類のフードが存在します。
猫の健康状態に合わせて、適切なものを選ぶのがおすすめです。

猫のそばでは喫煙しない

人間が吸うタバコの煙は、猫の健康状態に影響を及ぼすことがあります。また、吸い殻の誤飲は、有害物質を直接体内に取り込むことになりかねません。
猫のいる部屋では、タバコを吸わないようにしましょう。

完全室内飼いで愛猫を守る

猫を外飼いした場合、ノミ・ダニに寄生されたり、野良猫から病気をうつされたりする可能性があります。また、飼い主の目が届きにくくなることから、猫の体調の変化に気付きにくくなり、病気が発覚したころにはもう手遅れ……なんてことも。

実際、外を行き来する猫と、完全室内飼いの猫を比較すると、室内飼いの猫のほうが寿命が長い傾向にあります。
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定期的に健康チェックをする

かかりつけの病院で定期健診を受けるのはもちろん、飼い主による日々の健康チェックも重要です。猫の外見やしぐさにおかしな点はないか、 食事の様子や排泄物の形状はどうかなど、こまめに確認してあげましょう。

<健康チェックのポイント>
  • 皮膚や被毛の状態はどうか
  • じっとうずくまっていたり、運動量が極度に低下していたりしないか
  • 体を痛がったり、体をなめ続けていたりすることはないか
  • 食欲はどうか
  • 水はしっかり飲めているか
  • 排泄物の量や色はどうか、便秘や下痢をしていないか
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運動や遊びでストレスを減らす

運動不足になることは、肥満のおそれがあるほか、ストレスを発散できず体調を崩す原因にもなります。
上下運動ができるよう、猫の部屋にはキャットタワーを設置することをおすすめします。また、猫じゃらしなどのおもちゃを使って一緒に遊ぶことで、運動不足の解消にもつながります。

一方、シニア期は足腰に負担がかからないようにする配慮も必要です。猫の様子を見ながら、暮らす環境を整えてあげましょう。

まとめ

猫と女の子
猫の年齢は人間よりも早く進み、見た目だけでは年齢を判断するのが難しいものです。人間換算の早見表や年齢の見分け方を知っておくことで、猫の健康状態やライフステージに合わせたケアがしやすくなります。
また、適切な食事管理や定期的な健康チェックなどを通して、猫の平均寿命を延ばすことも可能です。
年齢を正しく理解し、年代ごとのサインに早く気づくことが、愛猫の長寿と幸せな暮らしにつながります。
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